溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
初めて聞くその儀式のやり方にもビックリだけど、プロポーズだなんて思ってもいなかった。


天堂さんが、私にプロポーズするって一体なんのドッキリなんだろう。


それとも、人違いかなにかの手違いで沢田さんが私に花束を渡してしまったとか。

  
そう考えた方がよほど納得がいくんだけどな。


「そんなわけないと思うけど」


「あるんだってば。いい、若葉よく聞いて。
これは正式な儀式なの。もうここまでやるってことは親同士の話し合いも進んでるってことみたいだよ」


「親同士って、私のお父様達からは何も連絡は来てないし」


「だから、紫音さんなら何かもっと詳しい事情を知ってるのかもしれない。
聞いてみたら?
どっちにしろ、親の意志がはたらいてることは間違いないから」
 

「そうする、でも」


紫音はちゃんと本当のことを教えてくれるだろうか。


天堂さんが三度目の花束を持って、プロポーズに来るかもしれないって紫音は知ってるの?





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