溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「そうだったんだ、バイトや家事の疲れがたまってるのかもしれないね。
ごめん、紫音にばかり負担をかけて」


「いえ、大丈夫です。俺の方こそご心配をおかけしてすみません」


「ううん、そんなこと。謝らないで紫音」


そっか、彼がそう言うならそうなのかな。


家事やバイト、執事の仕事で息つく暇もないくらい忙しそう。


たまに授業をサボってゆっくりしたい日があってもおかしくない。


彼は正直に話してくれたし、これからは気をつけるって言ってくれた。


質問したいことのひとつが解決したら、ホッとして全身の力が抜けた。


「それはそうと……何かあったんですか?」


「どうして?」


「さっきからお嬢様の様子がおかしいので心配です。後はやっておきますから部屋でゆっくりしてください」


怪訝そうにタオルを差し出す彼。


私ってそんなに挙動不振だったかな。   
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