溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
だって、そうしないと凄く苦しくて耐えられそうにない。


「あ、あの私っ」


ガバっと勢いよく起き上がったら、紫音の驚いたような視線にぶつかる。


「私っ、私は……え、えと」


どうしょう、告白なんて生まれて初めてだもん。全然うまく出来そうにない。


躊躇して再び布団を頭から被った。


う〜〜、私のばか、臆病者。


でもどんなに不恰好でもとにかく伝えたい。


「紫音、は私が嫌い?」


「いえ、そんなことは決してありません」


「そっ、そっか」


「……」


「あ、あのね私は」


こんなにグダグダな告白だけどどうか届いて欲しい。


「……」


大きく息を吸い込んだ。


「私は紫音が……紫音のことを」


お布団を被りながら、ついにそれを告げようとした瞬間。


ピンポーン


玄関のチャイムが鳴り響き、びっくりして心臓が跳ね上がった。


急いで起き上がった私は彼と顔を見合わせる。
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