溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
紫音は泣いて縋りつく私を強く抱きしめて頭の後ろを撫でてくれる。


彼は怒りで私は悲しみでそれぞれ震えてて。


紫音くん好きだよ、大好きだよ。


「紫音」


本当はずっとずっと前からキミは私の特別だったんだって今頃気づいてももう遅いけど。


その気持ちはこれから先、決して口にはだせない。


私は天堂さんのプロポーズを承諾してしまったから。


頭の中で天堂さんが言い放った無情な条件がこだましてて絶望感でいっぱいになる。


『君の執事を解雇すること、それが条件だ』


『そして、彼とは一生会わないと誓ってくれ』
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