溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
はーっと大きなため息を吐いた。


俺はこれからどうしたらいいんだろう。


「くそっ」


結婚に条件をつけるなんてずいぶん傲慢だ。


腹はたつが俺になすすべはない。


執事を辞めさせるだけじゃあきたらず、二度と会うことも許されないのか。


いずれにしろ、俺は早急に決断しなければいけない。


執事として俺が彼女のために出来ることを。


どうすればいいか迷った時、俺はいつも如月家の旦那様の言葉を思い出す。


『若葉にとって、何がいちばん最善かを君ならわかってやれるはずだ』


教えてください旦那様、俺はこの先どうすべきかを……。


天井を仰いで考えをめぐらせた。


お嬢様にとって最善の道。


彼女のために俺に出来ることは……。


彼女の幸せを一番に願うなら、どんなに考えてみても選択肢はひとつだけ。
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