溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
これまで通りじゃダメな気がする。


彼が安心して私のもとに帰ってきてくれるように、私は変わらなきゃいけない。


彼に見合うような素敵な人になりたい。


そして、主人として彼が胸を張れるくらい強くありたい。


もしも、彼が帰って来てくれるなら、
執事として、じゃなくても構わない。


私のために、もう何もしてくれなくてもいい。


ただ、1人の男性として私の隣にいて欲しいの。


「紫音、会いたいよ」


ウトウトしながら机に突っ伏してそのまま眠りについてしまった。


すると、どうしたことか凄く素敵な夢を見ることができた。


夢には、狂おしいほど会いたい彼が出てきた。


どんなに彼の夢を見たいと願っても無理だったのに、家に戻った途端に見ることが出来るなんて嬉しすぎるよ。


彼は、黙って私を優しく見つめてため息を漏らしていた。


「……」
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