溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

それと、夢の中で彼が大好きって言ってくれたことが妙に引っかかる。


昨夜の夢ではなくて、ずっと以前のことのようにも感じるんだ。


たとえば、あのお別れの夜に私に対して言ってくれていたのかなって。


もしかしたら最後だから本音を呟いてくれた、とか。


でも、それはさすがに自分に都合よく考えすぎかな。


どちらにしろ、私は今日ある人に告げないといけないことがあるんだ。


うまく伝えられるかどうかわからないし、自信もない。


だけど、その幸せな夢が背中を押してくれるような気がしていた。


生まれて初めての勇気を出さなきゃ。


キミのため、そして自分自身の未来のために。
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