溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
沢田さんの言っている幸せの意味はなんとなくわかる。


私の今の行動はどう考えても利口なやり方じゃない、だけど……。


「……」


スカートの横をギュッと握りしめて、今の私の精一杯の思いを打ち明けた。


「私、自分の幸せは自分で決めたいんです」





数日後、球技大会が開催される日がやってきた。


球技大会の目玉種目は執事ドッジボール大会でプログラムの1番最後のようだ。


紫音がいなくなってしばらくの間は、すっかり忘れていたんだけどここ最近また自分なりにトレーニングを頑張っていた。


「ちょっと若葉、ほんとに出る気なの?」


「うん、もちろん」


「いくらなんでも無茶だよ。
執事ドッジに執事無しで1人で参加するなんて」


「もう、決めたことだから。
晶ちゃん、止めないで」


「でも……、怪我でもしちゃったらどーすんのよ、やめときなって」
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