溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

でも、ボールに触れることすら出来ないし活躍なんてほど遠い。


体力だけがジリジリと削られていく。


気がつけば、お互いのチームは数えるほどしかいない。


「おい、可哀想だけどあの子そろそろ狙っていこう」


「はい」


相手側のペアが打ち合わせをするのが聞こえてきて、背筋が凍りついた。


もう、同情だけで生き残れそうにない。


だけど、その方がずっといい。


ここからが真剣勝負。


「おりゃっ」


こちらにめがけて真っ直ぐ飛んでくるボール。


狙われてるのがわかっていたから、落ち着いてボールをよく見てサッと体を捻って避けることが出来た。


よし、上手くいった。


だけど、すぐさま後ろからボールが飛んでくる。


「ひゃっ」


しゃがんで、かろうじて逃げた。


どうしょう、完全に狙われてる。