溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「2位おめでとう、素晴らしい活躍だったわ」


「ありがとうございます」


理事長に、賞品の目録を手渡されて銀色のメダルを首にかけてもらった。


「それと、紫音くん、もう用務員の仕事は終わりよね?
早々に執事に戻ってくださいな」


理事長がいたずらっぽい笑顔でそう言うと、紫音は深々と頭を下げた。


「はい、いろいろとすみませんでした」


「え?」


話が見えなくて理事長と紫音をかわるがわる見つめる。


すると、理事長は私に種明かしをしてくれた。


「ふふふ、彼が思い詰めた顔で退学届なんかを持ってきたから
私の一存で引き留めたのよ。
うちの孫がいきすぎたところもあったみたいだしね」


「お婆さまっ」


天堂さんが、片手で額をおさえながら理事長に複雑な視線を投げる。
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