溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

「光弦、あなたはもう少し女心を学ばないといけないわね。今度のことはよい勉強になったでしょう。この経験を次に生かしなさいね」


「……はあ」


理事長に明るく慰められると天堂さんはきまり悪そうに返事をする。


どうやら、この学園の理事長は天堂さんの祖母だったみたい。


だから、天堂さんは学園で特別な力を持っているんだ。


そして、紫音を用務員さんとして校内にいさせてくれていたのも理事長の肝入りだったのか。


「理事長先生、ありがとうございます。紫音を引き止めてくれたこと、私からもお礼を言わせてください」


「いえいえ、いいのよ。
あなたも大変だったわね。
この先も、まだまだいろんなことがあるかもしれないけれど、学園側としても陰ながらサポートをさせてもらいますからね」


お礼を言ったらふいに優しい言葉をかけてもらって、嬉しくて胸がギュッとなった。


「ほんとに、ありがとうございます」