溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「どうしてって、紫音が出て行ってしまったと聞いて心配だったから、若葉の顔が見たくて。
それより、なんだね、その派手な髪の男の子は?今すぐ離れなさい」


父は不機嫌そうに顔を顰める。


「すみませんっ、旦那様」


すると、紫音は慌てて私から離れて謝った。


「お父様、ちょっと事情があって金髪になってるけど彼は紫音だよ」


急いで彼を庇うと、母がクスッと笑う。


「あら、確かに紫音だわ。
どうしちゃったの?イメチェンかしら?
でもその色もよく似合うわよ」


「そうか、紫音か。
だったら構わないか」


父は安堵したようにそう言って母を見る。


「そうね、紫音ならいいわよね」


2人は顔を見合わせて頷き合っている。

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