溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

わけがわからなくて、尋ねてみた。


「なにが構わないの？」


「2人が恋仲だということなら、まあ多少はね。でもそういうのはこっちが恥ずかしいから親の前ではなるべく控えて欲しいな」


優しく釘を刺すと、父は頭をかきながら快活に笑う。


「え、あれ、恋仲って、お父さまはどうして私と紫音のことを知ってるの？」


その質問には母が答えてくれた。


「そりゃ、わかるわよー。
だって、若葉からのメールにはいつも紫音のことばかり書いてあるんだもの」


「え、そ、そうかな」


私は照れ臭くて声が小さくなる。


「紫音の気持ちがよくわからなかったから、心配していたのよ」


「そ、そうなの？」


「その様子なら仲良くやっているみたいね、よかったわ。紫音が出て行ってしまったと聞いた時はどうなることかと思ったけど」