溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「すまん、若葉。
おまえのことをいつまでも子供扱いしていたね」


「ううん、いいの。お父様。
私、誰かに頼るばかりじゃなくて誰かを支えられる人になりたい」


「そうだね。紫音のことをよろしく頼むよ若葉」


「はい」


紫音は私の隣で背筋をピンと伸ばし、ギュッと唇を結んでいる。


「まあまあ、そういう話はまだまだ先でいいじゃない。
2人は今1番楽しいラブラブ期なんだからっ。まずは愛を育むことが先よ」


母は父の肩を軽くポンポンと叩く。


そして、何かを思い出したように両手を打ち鳴らした。


「そうそう、若葉。いい知らせがあるのよ」


それは父の会社の現在の経営状況のことだった。

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