溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
一度寝たら朝まで爆睡するタイプだからこんなことは珍しい。


「紫音……は、どこ?」


夢か現実か急に不安になってしまって隣の部屋に向かって駆けだしていた。


夢なんかじゃないよね、全部ほんとのことだよね。


紫音が帰ってきてくれて一緒に執事ドッジをして、両親からも連絡があって……。


1日のうちに信じられないくらい幸せなことがいくつもあった。


だからこそ不安になる。


夢だったらどうしょうって。


もしも彼がいなかったらどうしよう。


彼がちゃんとベッドで寝ていることを確認したら、きっと安心できるはず。


ドアもノックせずに、部屋に入ると電気がついていていた。


「え?」


1人掛けのソファに座っていた紫音は突然私が入ってきたから驚いたように目を見開いている。

< 334 / 341 >

この作品をシェア

pagetop