溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
そんな俺に、旦那さまはこんなことをおっしゃった。


「君は執事としての型にはまらなくていいから思うままに自由にやりなさい」


「若葉にとって、何がいちばん最善かを君ならわかってやれるだろう。
大丈夫、紫音なら出来るよ」


それだけじゃなく、親から1人離れた俺のことを気にかけてくれた。


「君は私たちの家族だ。
私も妻もずっとそう思っているからね」


そんな優しい言葉をかけてもらった時、涙が出そうなくらい嬉しかったし信頼に応えなくてはと身が引き締まる思いだった。


だから俺はどんなに、没落の危機にあろうと如月家を離れるつもりになんてなれない。


だけど、この先どうしたらいいか俺なりに不安もあって。


お嬢様にはまだ言えないけど、周りにいた大人がしていたことを全部俺にできるのだろうか疑問。


着替え、食事、メンタルケア、広い邸の管理etc……。
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