溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「すみません」


「ううん、いいのよ。これから大変だろうけど頑張ってね」


励ましの言葉を残して、おとなしく引き下がってくれた。


聞き分けがよくて助かった。


フゥッと胸を撫で下ろしてその場を後にした。


しかし別棟にある執事科の教室に着くまでに似たようなことを言ってくるお嬢様達が何人かいてその対応にぐったり疲れてしまった。


どうやら如月家の悪い噂が広まっているみたいだ。


若葉お嬢様のお耳にも届いてしまうかもしれない。


彼女がこれ以上傷つかないか心配だ。


俺に出来ることはなんだろう、彼女のためになんだってしてあげたいけど。


慰めるとか励ますにも限界がある。


あくまでも、執事としてできることを考えなくてはいけない。
< 45 / 341 >

この作品をシェア

pagetop