溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「どうなっても私は知りませんからね」


「うっせーな。
お前は俺の執事だろーが。
とっとと、車をまわしてこいっ」


指図された執事は渋々、その場から立ち去ってしまう。


どうしょう、唯一まともそうな人がいなくなっちゃった。


残った3人はニヤニヤしながら、私を見つめていたから、背筋がゾクッとした。


「さあー、もう邪魔ものはいなくなったな」


抱き寄せられて、顔を近づけてきたから抵抗しょうとして身をよじった。


「いやっやめて」


「おおーっ、可愛い声出すじゃん」


「もっと、俺達を楽しませてよ。
満足させられたら、この財布あげてもいいよ」


彼はポケットから革製の財布を取り出して私の顔の横に持ってくる。


見下したようなその振る舞いにカッとなった。


「いりませんっ、こんなの」


「……ッ」


その財布をパシッと手で払いのけると、彼の注意をそらせることができた。
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