溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
あ、気持ちいい。


誰かに洗ってもらうのにすっかり慣れていたせいか落ち着く。


「ありがとう、ちょうどいいよ」


「そ、そうですか。それはよかった」


安堵したように息を吐く彼。


「目を隠さなくても私ちゃんと水着を着てるから大丈夫だよ」


「……なんだそうなんですか」


彼は拍子抜けしたように笑う。


「うん」


まさか私だって裸で洗ってもらおうなんて思ってないよ。


ちゃんと背中が大きく開いたワンピースタイプの水着を身につけている。


「まさか、私が裸だと思ってたの?」


「はあ、お嬢様のことだからそうかなと……」


「もうっー、そんなわけないよ」


私だって羞恥心くらいちゃんとあるんだからね。


クスクス笑っていると、ふとイタズラ心が湧いてきた。


彼の目を覆っていたアイマスクに手を伸ばしエイっと下にずらせた。


「ほらね、大丈夫でしょ?」

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