冴えないモブ先生の正体はS級王子様!?
「おっくれましたー!」

勢いよく教室のドアを開けて飛び込んだ私達を、教卓からモブセンが見てきた。
相変わらず鉄壁の前髪だから表情は全然わかんないけど。

瀬音(せおと)、放課後、指導室」

「は、え?なんで私だけ?」

「言っただろ。次やったら単位はやらないって」

凛子も同じくらいサボったり遅刻してる。
でも単位が私だけ危ういのは、凛子が成績優秀だから。

見た目は派手だし、一見誤解されやすいけど、凛子は本当に勉強ができて、
おまけにスポーツまでできる。

私は教科書なんて開いたら眠くなっちゃうし、どんくさい。
まさに凸凹コンビだ。

「えーサイアク」

「放課後まで指導させられる俺のほうがサイアクだよ」

なにそれ!ヤな教師!

元はと言えば私が悪いんだけど、そんなこと言われたらムカついちゃう。

「すみませんでした」ってぶっきらぼうに言って、私は席に座った。

教科書なんて絶対に開かないんだから!
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