冴えないモブ先生の正体はS級王子様!?
「なんで呼ばれたか分かるか?」

「単位ですよね」

「自覚あるならちゃんと出席しろよ」

「私、貧血持ちなんです。だからよく具合悪くなっちゃって」

「嘘つけ」

何かがおかしいって思った。

さほど広くもない教室で、モブセンの声はいつもかき消されそうなくらい小さい。
なんか今のモブセン、めっちゃ滑舌いいし、音量も…。

「もぶせっ…」

あぶない、あぶない。
勢いでモブセンって呼ぼうとしちゃった。

「なんだよ」

「いやなんでも」

「だから誤魔化すなって。いつもみたいに言えばいいじゃん。モブセンって」

「知ってたの!?」

「当たり前だろ。どいつもこいつも呼んでんのにバレないわけねーだろ」

「…怒んないの?」

「別にどーでもいい。生徒にどう思われようが興味ない」

「はぁ!?そーいうとこなんじゃないの?」

「何が?」
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