隣は僕のもの
「おはよう!」

『おはようございます』

「昨日はありがと。今度のランチは奮発するね?」

『別にいいのに』

「昨日来てくれなかったら心折れてた気がするの。だから私の心まで助けてくれたお礼!ね?」

『なら僕のお願い聞いてくれます?』

「うん」

『先輩の休日、1日ください』

「へ?」

『ちょっと離れたとこ一緒に出かけたいんです』 

「それって…運転手が必要ってこと?」

『はぁ』

「なにため息ついてんの」

『送り迎えはもちろん僕がします。先輩を運転手代わりにするわけないでしょ?』

「そうなの?」

『いつも先輩頑張ってるし、ちょっと遠く行って息抜きしませんか?っていう誘いです』

「何この子かわいい」

『…かわいい後輩からの頼み、断らないですよね?』

「その瞳に弱いの知っててするんだからずるいなぁ」

『返事は?』

「うん、一緒に出かけたい」

『へへっ』

「週末のために仕事頑張らなきゃ」

『楽しみです』

嬉しそうな笑顔に心臓がきゅっと掴まれたような気がした。
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