君にまた会えたのなら

君にまた会えたのなら

私は小咲琴葉(こさきことは)中2、14才
今は、冬.通学に使う駅では、マフラーをつける人も増えて,息は雪のように白くて,特に冬らしい時だ.
私は1年前交通事故で亡くなってしまった彼氏の優斗を、ずっと待っている.死んでしまったのなら,会えないことはわかっている.でも,出会ったこの駅のベンチに座ると,優斗の温かさ、語りかけてく声、全てがよみがえってくる.そんなだらだらいろんなことを考えながら,普段は車通りの少ない道路を、白癬から少しはみ出して,歩いていたら,,,
「優斗!?」
なんと死んでしまったはずの優斗が目の前にいるんだ.
「驚かせてごめん、俺は幽霊だ、成仏するためにここにいる」
もしかして、ゆうとは私に何も言えずに死んじゃったから,成仏できずにここにいるってこと?
「私は、成仏してほしくない.幽霊のままでも会えるから.ゆうとは私にもう会いたくないってこと?」
「違うよ琴葉、ずっーと一緒にいたくても無理なんだ」
なんで,と聞く前に,1つわかることがあった、優斗の体が、だんだん透明になってきたことだ.
その『なんで』の答えは,すぐ話さないと、消えてしまう、ということなんだと理解した。
最後に私は優斗に聞いた.
「何して欲しい?何したい?」
すると優斗は口を開いて,
「もう一度,俺の手を握って『大好き』って言って.成仏する勇気、頂戴」
手を握って,大好きを伝えたら、もう優斗は消えていた.
私の頬に、涙が伝った.
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