半径3cm未満に(2)
「え…?」
「ごめん…ずっと、好きだった…ごめん、俺教師なのに…」
時が止まったかと思った。
「…返事は、いいから…」
鏡ごしの先生の耳は真っ赤だった。
それからはお互い特に話すことなくマックに着いた。
「何食べたい?」
「え…あ、じゃあ、あ、アップルパイで…」
「ハンバーガーは?」
「え…あ…いや…。大丈夫、です…。」
あの日、私はどれだけ緊張していたのだろうか。
思い出すだけで、恥ずかしくなる。
それから家まで送ってもらって、2週間後に私は先生と付き合うことになったんだっけな…。