半径3cm未満に(2)
「心が…いたい…」

「心…?」

「誰かに…誰かに支えてほしい…。
 誰かに愛されたい…。」

それは、日向の心の叫びだった。

「せんせ…助けて…助けてぇ…」

俺はその言葉を聞くと同時に日向を抱きしめた。

「大丈夫。日向のこと、俺も、みつりも、穂貴先生も、みんな心配してるから。みんな日向のことが大好きだから。」

そう言うと日向は頭を俺の胸にあてて、俺は日向の背中を優しくなべる。

「もう…もう離さない…。日向が、俺のこと信用してくれるまで」

今の日向は、心が枯れてるレベルで危険だと思う。

まず、俺なんかにこんな弱音を吐くなんて時点で普通じゃない。

「日向は、成長したな…。
苦しいとき、助けてって言える子になったんだな。」

「私…。1人じゃ…無理なのかもしれないって…思って…。」
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