半径3cm未満に(2)
「え?1人じゃ無理?」

日向は俺の胸に顔をうずめたまま小さくうなずいた。

「私…今日先生が来てくれるまで…ずっと怖くて…。
誰かに支えてほしいって、愛されたいって…思って…。」



彼女は、俺が来るまで何を考えていたのだろうか。



どんな恐怖とたたかっていたのだろうか。

「先生、ごめん…。しばらく、このままでいて…。」

「…うん。」

こんなに小さな体で、こいつは。

どれだけの重荷をかかえているのだろうか。

どれだけの愛を必費としているのだろうか。




日向。



俺はお前を愛してる。

だから、もうここから離れないでくれ…。

そう思い、日向の頭をなでた。
< 123 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop