半径3cm未満に(2)
「はあ!? 何でよ!
 この家の主の妹なんですけど、何か文句でも!?」

「今はどうしても駄目なんだって!」

「何!?あんた恋衣ちゃんに変なことーー」

「今日向泣いてるんだよ…!」

俺はみつりの口をふさいで胸に聞こえない大きさでそう言った。

「え?」

「今、色々話してくれてたのにみつりが来るから…」

「…うわっ…。
 え、そう言うのはもっと早く言ってよ…!
 何かごめんじゃん。私帰るわ。」

そう言うと抜いだ靴を再度履くみつり。

「これ、恋衣ちゃんに。絶対プリン1カップかシュークリーム1個は食べさせてね。」

そう言いながらプリンなどが入った袋を俺に渡す。

「あっきー、お願い。恋衣ちゃんを支えてあげて。」

みつりはバタバタと家を出て行った。

俺はドアの鍵をかけ、袋片手に日向の元へいそいだ。
< 128 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop