半径3cm未満に(2)
『はぁ…もう私…限界…。』

私は涙を流してしまった。

葉羽ちゃんのことが蘇ってきて…。

その時だった。

『え、日向…?』

そこでたまたま通りかかったのが、星川先生だった。

『先生、恋衣っちの話聞いてあげて!本当にひどいの!』

それから私と先生は、隣の空き教室に行き、話を聞いてもらった。

『この字、恒成の字じゃない?』

『えっ…恒成って、美宙ちゃん…!?』

先生に手紙を見せると、先生は真剣に私を見ていた。

『うん。だって、ほら』

そう言って私に美宙ちゃんの国語のワークを見せた先生。

『ほんと、だ…。』

字が似てる…というか、同じ。

『…あ、やべ。もう朝読書の時間なるじゃん。』

ふいに時計を見た先生はそうつぶやいた。

私も時計を見ると、朝読書の5分前だと気づき、あわてて立ちあがる。

『恒成には、俺から話聞くから、また日向よぶね。』

『はい、お願いします』

そう言って、私は教室に戻った。
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