半径3cm未満に(2)
それから先生は私をお姫様だっこして、部屋を、そして家を出た。

「待っ…」

「大丈夫。変なことはしないから。」

何をするつもりなのか先生は私を車の助手席に乗せ、「ちょっと待ってて」と、家の鍵を閉め、自分は運転席に座って車を走らせる。

「せんせ…ほんと…何で…」

「病院行こう。」

「え…?」

「大丈夫。みつりの病院だから。」

「いや…でも」

「診察してもらった方がいい。
このままだと大変なことになりかねないかもしれないから。」

「なんで…」
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