半径3cm未満に(2)
「うん。
これから私が質問するから、それに答えられだけ答えてほしいの。
できそう?」

「…はい」

「これは話したくないなっていうことは無理に話さなくてもいいからね。
それで、ちょっとでもしんどいって思ったらすぐに言って。
で、もし恋衣ちゃんが倒れたらすぐに穂貴支えてあげて」

「わかった」

先生はうなずくと椅子を私に近づけて私のすぐ後ろに座り直した。

「じゃあ恋衣ちゃん、私の質問に答えてね。
まず、今の自分の体調のことを教えてくれる?」

「えっと…」

言える訳がない。

自分の体調とか、そんなの、自分でもなんでこんなことになってるのかもわからないのに。

自分の体調すら管理できない人だなんて思われたくないのに。

言ってしまえば幻滅される。

みつりさんに、先生に…。

「…特に、どこも悪くないです。」

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