半径3cm未満に(2)
ーーピロン

穂貴
<どういうつもり?今どこ?>

ポケットからスマホをとり出し、返信をした。

秋空
<今、俺の家で寝てます。日向。>

穂貴
<今からすぐ行く>

「んんっ…せんせえっ…ぎゅって…しよ…?」

先生ってこいつ、誰に言ってるんだ?

ぎゅって…何かわいいこと言ってるんだよ…。

「さむいよ…せんせ…」

さむい?

もしかして…。

寝言であってほしいと思いながら、日向のおでこに手をあてた。

「おい日向…。」

秋空
<日向熱ありますよ>

穂貴
<もしかして何か変なこと思い出させたとか?>

<日向さん、過去にあった嫌なこと思い出したら一時的に熱が出るから。>

穂貴先生の返信に、俺は疑問を感じた。

秋空
<何でそんなこと知ってるんですか?>

俺は約1年、日向の隣にいたのに、彼氏だったのに、そんな事知らなかった。

なのに何で、穂貴先生は知ってるんだよ…。

穂貴
<なんとなく>

何が…何がなんとなく、だよ…。

俺はずっと穂貴先生に憧れてた。
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