半径3cm未満に(2)
「くちびう…。」

ああ、もうやばいぞ私。

舌まで回らなくなってきた。

そしてようやく目を開き、先生の方を見た。

「…がんばって、抵抗したんだよ…?
でも…だめだったあ…。」

頭がボーッとして、自分の話してることもよくわからなくなってきた。

「ぐずっ…」

涙があふれて、とまらなかった。

身体が密着してるとき、自分の全てを知られてるみたいでこわかった。

唇がふれているとき、身体がふるえていやだった。

「私っ…どしていいか…わかんなくて…。」

とまらなかった。

嗚咽も、気持ちも…全部、吐き出してしまいそうで…。

「何で私…ぐずっ、ひっく…。」
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