半径3cm未満に(2)


それから、数時間後。

ーーピンポーン

ベッドで寝ていた私は、そのインターホンの音で目が覚めた。

ベッドから転げ落ちるようにして、壁に手をついて立ち上がり歩きはじめた。

必死に玄関まで行き、何とか鍵をあける。

「っ!?日向っ!?」

「ほしかわ…せんせ…?」

フラッと身体が傾いた瞬間、星川先生が私を支えてくれていた。

「とりあえず、寝室まで運ぶからね?」

先生はそう言って持っていた荷物をおき、ドアの鍵を閉めてから私をお姫様だっこして寝室まで運んでくれる。

「せんせ…なんで…なんでいま…ここにいるの…?」

「俺、今週は三限目まで学校にいたらもう帰っていいってことになっててさ。
日向が風邪ひいて休みって聞いて、心配だったから来た。」

先生はそう言うと私をベッドに寝かせ、ふとんをかけてくれると、手洗ってくる、といって寝室を出て行った。
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