半径3cm未満に(2)
ぐにゃっと視界が揺れたのと同時に、私の身体を星川先生が支えてくれる。
正確には、先生の腕の中にいたのだけど。
「よしよし、大丈夫だからな、一回深呼吸しようか」
「せんせにっ…はあっ…あいたいっ…はあっ…はあっ」
「大丈夫、俺がそばにいるからーー」
「わたしっ…!
魚島先生に、会いたいのっ…はあっ…はあっ…」
私がそう言うと。
「日向さん…!?」
目の前に、魚島先生がいた。
「せんせ…」
私を支えてくれていた星川先生の手がゆっくりはなれ、かわりに魚島先生が支えてくれる。