半径3cm未満に(2)
いや、もしも、先生の彼女さんが来たら、なんだけど。

でも、もし、そうだったら…。

「私…お母さんのとこに、戻る…。」

「何で?」

「…もうこれ以上…先生に迷惑かけられないよ…。」

魚島先生と、目が合った。

ーー「キツいならキツいって言っていいのに」

ーー「日向さんの味方だよ、俺は」

ーー「もう日向さんを1人にはしないからね。」

ああ、もう私って本当バカだ。

先生と目を合わせるたびに、色々な事を思い出しちゃう。

ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ

タイミングが良いのか悪いいのか、体温計が鳴り、私はそれを見ることなく先生に渡した。
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