半径3cm未満に(2)
「39度5分…。熱下がんないね」

先生はそう言って私の頭から手をはなした。

「先生、みつり、今からすぐ行くって言ってました。」

「ああ、ありがとう。」

星川先生も戻って来て、魚島先生の隣に座った。

「…ほんと、ごめんなさい…」

「…何を謝ってるの?」

「私、魚島先生にも、星川先生にもたくさん迷惑かけてるから…私のせいで…お2人には…」

涙が溢れて、頬を伝う。

「悪いけど、そう思ってるの日向さんだけだからね」

「…でも」

「でもとかないから。
日向さんは大人しくこのまま寝とけばいいの。」

魚島先生の言葉がいつもよりしみる。

「そうだよ、俺ら迷惑だとかそんなこと思ってない。
大切な生徒を守るのは教員としての務めなんだから」

星川先生はそう言って優しく微笑んでくれる。
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