半径3cm未満に(2)
ーーピンポーン

「俺が出ますよ。」

星川先生はそう言って急いで玄関へと向う。

「せんせっ…はあっ…わたしっ…はあっ、はあっ…」

「大丈夫。無理してしゃべんないで。」

先生はそう言って横向きの私の背中をさすってくれる。

「はあっ…はあっ…。」

するとーー

「恋衣ちゃん?日向恋衣ちゃん?聞こえる?」

部屋に、星川先生と知らない女の人が入って来た。

「ちょっと穂貴どいて。
恋衣ちゃん、大丈夫だからねー。
1回大きく息はいて。」
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