半径3cm未満に(2)
「日向さん、嫌だったこと思い出すと熱がでてたじゃん、もしかして、それ?」

私の言おうとしていたことを魚島先生が言った。

「そうかもね。急に過呼吸になったんでしょ?
しかもちょくちょく熱が出てたんだったら、過換気症候群で間違いないと思う。
穂貴、恋衣ちゃん相当重荷背負ってるんじゃない?」

先生と、目が合った。

「負荷か。日向さんがずっと言えてなかったこと、少しずつ言えてた気がしてたけど…ごめん、逆効果だったんだ…。」

「それはっ…それは違う。」

今、すぐそこにいる魚島先生が、遠くに見える。

目が合っているのに、すごく遠い。

「先生は、私のこと、大切にしてくれて…味方でいてくれて…。」
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