半径3cm未満に(2)
ーー「笑えばいいじゃん。
かわいいのに、もったいない」
ーー「日向さん。
今は無理に言わなくてもいいけど…
でも、1人で抱えこもうとは思わないで」

ーー「日向さんは1人じゃないから。
俺のこと…頼りになるかわかんないけど頼りに
してほしい」

ーー「キツいならキツいって言っていいのに」

ーー「泣きたいときは泣かないと、倒れちゃうよ?」

ーー「もうあなたは十分頑張ったよ。」

ーー「これからは1人で頑張んないでいいよ。
つらいって、くるしいって、さっき言えなかっ
たことも全部、俺に吐き出していいよ。」

先生が私にかけてくれた言葉は、きっと。

自分と同じ思いをしてほしくなかったから。

1人で抱え込んだらいけないって、1人で頑張んない方が気持ちが楽になるって知ってたのが先生だったから…。

「…先生は、1人で頑張りすぎだよ…。
私も…星川先生も、みつりさんも、先生のそばにいるのに…頑張りすぎ…!」

ーー「日向さんの味方だよ、俺は」

「…先生の味方だよ、私…。」

ーー「もう日向さんを1人にはしないからね。」

「もう先生を1人にしないから…。」
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