半径3cm未満に(2)
「何か聞きたいことは?」

しばらくして、先生は私にそう聞いた。

「何で、魚島先生の家に来たんですか?」

「それは、仕事だから。」

「へ?」

どう言うこと?

「魚島先生に渡す資料があったから、届けに行っただけ。まあ、日向がいるとは思ってもいなかったけど。」

「なんだ、そう言うことか。」

何かほっとして小さくため息をついた。

「それだけ?」

「…あと…何で…。何で、魚島先生に美宙ちゃんのこと言ったんですか…?」

そう言うと、先生が小さく ほほえんだのが鏡に映ってみえた。

「日向が魚島先生のだって見せられて、すっごい腹たってさ、俺の日向だって思わせたかったから。」

「俺の日向」って…何…!?

「私は、魚島先生のでも、星川先生のでもないですけど?」

「じゃあこれから俺の日向にするから。」

ど、ど、ど、どうゆうことですか…!?

私はパニックになりながら車にゆられていた。
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