半径3cm未満に（2）
「俺もう帰りますね。
お邪魔してしまって、すみません」

「いや、むしろ感謝してるよ。
日向さんのこと、ありがとう。助かった。」

星川くんは首を横に振ると、持ってきていたかばんを持って、部屋から出ようとした。

「あ、星川くん」

俺がひきとめると、星川くんは不思議そうに振り返った。

「明日も、来てもらえる？
日向さん、この調子じゃアウトだし、俺明日、会議に出ないとだから｣

「はい。もちろん。じゃあ、お邪魔しました。」

星川くんは部屋を出たかと思うと、すぐに玄関が閉まる音がした。


「はああ、俺、何やってるんだかなあ」


日向さんの眠っているベッドに近づいて、じっと日向さんを見つめる。


なんだか、まつりに似てる。
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