半径3cm未満に(2)
身長も、髪も、優しいとこも、笑ったときが特にかわいいとこも。

「せんせ…?」

「あ、目ー覚めた?」

「…うん…。」

時刻は夜6時30分。

そういえば、日向さん全然ご飯食べてないじゃん。

「星川先生がゼリー持ってきてくれてたんでしょ?
食べない?」

「食べろってことでしょ…」

「正解」

日向さんはゆっくりと身体を起こすと、俺をじーっと見つめて何か言いたげにしている。

「何?どうしたの?」

「え…あ…や…な…なんでもない…」

「なんでもないって顔じゃないけど。
何?不満でもあるの?」

俺はそういいながらまくら元にあった保冷バッグからゼリーをとった。
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