半径3cm未満に(2)
「日向…。お姉さんがいるんだけど…。」
おそるおそる、といったような感じで先生は私に話しかけた。
「….茉衣ちゃん…?」
「…恋衣…。
あんたどんだけ迷惑かけたと思ってるの…!?」
茉衣ちゃんが、目の前に、いる。
星川先生のことで頭がいっぱいで、茉衣ちゃんのこと忘れてた。
「恋衣、説明して」
「…茉衣ちゃんと歌衣くんが帰ってから、私、学校に行ったの。
そしたら、倒れちゃって…それで、先生が、助けてくれて…一緒に住ませてもらってる」
起き上がる気力もなくて、寝たまま答えた。
「でもさ、私言ったよね?
『お母さんをよろしくね。』って。」
そんなの…覚えるよ。
茉衣ちゃんが電話越しに言ってたこと。
でも。
「…あの、茉衣さん?は、恋衣さんの傷知ってるの?」