半径3cm未満に(2)

8、元彼との想い出。

目が覚めた時には、茉衣ちゃんはいなかった。

「大丈夫?」

「…う、うん…。」

かわりに、魚島先生がいて、私に優しくそう聞いた。

「星川先生と茉衣ちゃんは…?」

「星川先生は30分くらい前に帰って、茉衣さんは日向さんが寝てから帰ったって。」

「そっか…。」

時計を見ると、7:45をさしていて、星川先生に申し訳なく思ってしまう。

長時間寝てた私を見てたなんて暇だっただろうな…。

ちゃんとお礼言わなきゃね。

「熱計れる?」

先生はそう言って私に体温計をさし出した。

「うん」

私は体温剤を脇にはさんで起きあがり、先生を見つめる。

「どうしたの?」
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