邪魔したくないから



「え!なんで知ってるんですか!?」



サラッと当てる彼に驚く。よく見ると、髪の毛が明るめに染められていて、耳にピアスが1個付けてある。



「紗良ちゃんが、可愛くて有名だから分かるさ」



「……何言ってるんですか」



「俺の名前知らない?さっきから思ってたけど」



なんで知ってると思ってるのか分からない。



縦に首をゆっくり振ると、「まじかよ……ショック」と、そんな様子なんて一切なく言う。



「上兼歩夢。覚えてね」



「あ、はい」



「紗良ー!おまたせ……って、上兼!?」
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