邪魔したくないから
「_____蓮……?」
「好きだ」
会いたかった人。大好きな人。まるで、ヒーローみたい。
私を強く強く抱きしめた。蓮の呼吸が荒い。
「今……なんて……っ」
「もう、逃げない。何度だって言うよ。好きだ」
「……もう、なにがなんだかっ」
好きな人から、好きだと言われることが、これほどにも嬉しいのか。
たまらなく嬉しい。
涙が出るくらい。
抱きしめたまま、顔を上げて、まっすぐ私を見る。
こんなに近いの初めて。
ドキドキして、顔が赤くなるのが鏡を見なくてもわかる。
「花蓮とか言うやつ、俺、全く興味無い。お前と仲いいから、お前の友達なら、大事にしようと思った。でも、俺が好きなのは紗良だけ。上兼なんかに、取られたくない。何年お前のこと好きだと思ってんだよ」
「れんっ……私だって、そうだよ」
「……好き」
「れん……?んんんっ」
「ん、たまんない」
甘い甘いキス。
好きな人との初めてのキス。
「ほんとに、私の事好き、?」
「こんなキスなんかじゃ、表せないくらい、お前が好き」
オレンジ色に染められた空に包まれながら、また、何度も、何度も、唇を重ねた。