邪魔したくないから
「私はどうにも気に食わない、あの女」
ご機嫌ななめの桃ちゃんだけど、私も鼻から疑っていない訳では無い。
そしてあくる日、
放課後、蓮と帰る約束をしていた私は、胸を躍らせながら、学校の玄関で待っていた。
「あれ?紗良ちゃん、誰か待ってるの?」
帰っていたと思っていた花蓮ちゃんに、私は驚いて「蓮と帰ろうと約束してたの」と言った。
すると、花蓮ちゃんは目を光らせて
「私も一緒に帰ってもいいっ!?方面一緒なんでしょうっ!?」
私はなんて言おうか迷った。せっかくの蓮との時間を、こんな簡単に譲りたくない。