邪魔したくないから



でも、断ったら、明日から気まずくなっちゃう。


「紗良、ごめん遅くなって……ーーだれ?」


「蓮……」


怪訝そうな顔をして私に尋ねる蓮に、答えようとすると


「私、有山花蓮って言います!今日、一緒に帰ってもいいですか!?」


蓮は驚いた様子だったけど、少し考えてから、「いいよ」と言った。


私は驚いた。私以外の女子とは必要最低限しか喋らないのに。


花蓮ちゃんとは、いいの……?


それから、3人で家路を歩いた。


さっきまで、私が真ん中で歩いていたのに、自然と花蓮ちゃんが押してきて、後ろになってしまった。


だから、今は二人が前で歩いて話している。


なにこれ、私、おまけみたい。
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