元奴隷の悪役令嬢は完璧お兄様に溺愛される

 助けて、と言おうとして、やめた。助けを求める先などない。
 助けを呼べば、待っているのは冷たい視線のみ。

 無駄なことだ、と思いながら、レインはおぼろげな意識の中で涙を流した。
 涙は雨に流されて消える。結局は、レインを助けてくれる存在などないのだ、とすべてを諦め――レインの意識は暗転した。

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