元奴隷の悪役令嬢は完璧お兄様に溺愛される
レインは眉根をそっと寄せた。お兄様は何を言っているのかしら、と思ったからだ。
「入学式の日に、言っただろう」
「え?」
「好感を抱いた……と」
「まさか、それで?」
レインは目を瞬いた。
あの日、レインの発した失言がこんなことに繋がっていただなんて、思いもよらなかった。
「あれは、誤解なんです」
「誤解?」
「……私、お兄様様の望むような答えを考えて、ああ言ったのです。本当は、あまりよく思っていなかったのに……」
「……そうなのか?」
「……はい、今回のことは、きっと、ずるい考えを持った私に、神様が罰をお与えになったのですわ」
レインはぎゅっとユリウスの服を握りしめた。
今、きちんと言わねば、と思った。この想いを、すべて打ち明けねば、と思った。
「あの日から、ずっと、私はお兄様に好かれたり、愛していただきたいと思って生きてきました。だから、婚約の件も、お兄様のお役に立てば、愛していただけると……」
「レイン、君は、役に立とう、なんて考えなくていいんだよ」
「ええ、お兄様ならそうおっしゃると思いました。でも、私はあさましく、家族として愛されるだけでは足りなかったのです」
「入学式の日に、言っただろう」
「え?」
「好感を抱いた……と」
「まさか、それで?」
レインは目を瞬いた。
あの日、レインの発した失言がこんなことに繋がっていただなんて、思いもよらなかった。
「あれは、誤解なんです」
「誤解?」
「……私、お兄様様の望むような答えを考えて、ああ言ったのです。本当は、あまりよく思っていなかったのに……」
「……そうなのか?」
「……はい、今回のことは、きっと、ずるい考えを持った私に、神様が罰をお与えになったのですわ」
レインはぎゅっとユリウスの服を握りしめた。
今、きちんと言わねば、と思った。この想いを、すべて打ち明けねば、と思った。
「あの日から、ずっと、私はお兄様に好かれたり、愛していただきたいと思って生きてきました。だから、婚約の件も、お兄様のお役に立てば、愛していただけると……」
「レイン、君は、役に立とう、なんて考えなくていいんだよ」
「ええ、お兄様ならそうおっしゃると思いました。でも、私はあさましく、家族として愛されるだけでは足りなかったのです」